物理学と幽霊 2017 9 3

 日本では、夏になると、
テレビで「幽霊特集」が放送されます。
 幽霊を見たという体験談や、
写真やビデオに幽霊が写っていたという話です。
 このような話で、よくある話は、
幽霊が半透明タイプに見えるという話でしょう。
あるいは、壁を通り抜けてしまうという話もあります。
 この「壁を通り抜けてしまう」ということを、
科学的に考えてみましょう。

「我々が、壁を通り抜けることができないのは、なぜか」
 このようなことが、幽霊にはできて、
生きている人間にはできないという理由を考えることが、
科学的思考というものです。
 素粒子物理学の多田将氏の本には、
このような現象を科学的に考えるヒントが書いてありました。
 たとえば、テーブルに手をついた時に、
なぜ、手がテーブルを突き抜けてしまわないのか、
それが不思議でしょう。
 これを物理学で説明すると、どうなるか。
「手」も「テーブル」も、分子や原子で構成されています。
 原子の構造を見ると、
中心に陽子があり、外側には、多数の電子があります。
 そうなると、「手」の原子と「テーブル」の原子が近づくと、
電子同士で反発することになります。
そういうわけで、手はテーブルを突き抜けないのです。
 さて、幽霊が壁を通り抜けることができるとなると、
幽霊は、分子や原子で構成されていないことになります。
つまり、電子もないことになります。
 そうは言っても、
幽霊が出ると、白熱球が切れたという話もよく聞きます。
そうなると、幽霊は電気的な存在なのか。
あるいは、電子的な存在なのか。
 もっとも、量子論からすれば、
電子も、幽霊のような存在なので、
そんなに違和感はないかもしれません。
 量子論では、電子は、原子を構成する外殻に、
その位置が確率的に存在するという。
 これを視覚的に表現するならば、
外殻には、電子の雲、つまり電子雲のようなものが存在するとなるでしょう。
電子の性質は、波であり粒子でもあります。
そうすると、幽霊も、量子論から言えば、波であり粒子でもあるかもしれません。
 あるいは、今のところ測定不能ですが、
幽霊は、範囲限定的かつ拡散しないエネルギーの広がりで、
電子的な性質も持っているということでしょうか。
「リバースエンジニアリング」
 私が、このようなことを書くのは、
実は、幽霊を何度か見ているからです。
その時、思ったのは、どのような構造になっているか興味を持ったからです。
 リバースエンジニアリングとは、日本語では「逆行工学」でしょうか。
目の前にあるものを観察したり、分解して、内部構造や動作原理を明らかにすることです。
 幽霊をリバースエンジニアリングするには、
一定の場所に一定の時間に現れてくれる必要がありますが、
いかんせん、「気まぐれ」なので、測定不能です。


































































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